「名探偵コナン」の劇場版「黒鉄の魚影」には、劇場版オリジナルのキャラクター、ピンガが登場します。ピンガは物語において重要な位置を占めており、その存在は多くの議論を呼んでいます。
物語では、赤井がピンガの名を口にしますが、彼が具体的にどの人物に変装して活動しているのかは明らかにされません。また、ピンガが組織内での地位を高めるためジンを排除しようとしているという情報もあり、彼の最終的な運命、つまり生死についても触れています。
「黒鉄の魚影」の鍵を握る人物：グレースの正体とは？
劇場版「黒鉄の魚影」では、ピンガが重要な役割を担っています。彼は組織のメンバーとして、パシフィック・ブイのエンジニアに変装し、内部に潜入していました。
ピンガの真の姿：グレースへの変装
実は、ピンガの正体はパシフィック・ブイで働くフランス出身のエンジニア、グレースでした。グレースの正体が明らかになったのは、特定の清掃員が関与する誘拐事件を通じてです。清掃員が使用した開閉ハッチの操作権限を持つ人物は、牧野、直美、グレース、レオンハルト、エドの5人に限られていました。
さらに、ピンガは直美だけでなく灰原も誘拐し、追跡してきた蘭からの攻撃で首にアザを負っていました。そのアザを見つけたのが黒田管理官であり、これが決定的な証拠となりました。
「2」のサインと不可解な仕草が正体を暴く
コナンがグレースの正体に疑念を抱いたのは、彼女がフランス出身でありながら「2」を示すフランスの指のサインを知らなかったことでした。コーヒーの注文の際に、グレースがそのサインに反応しなかったことが、彼女がフランス出身であるという設定に矛盾を生じさせました。
さらに、防犯カメラにはレオンハルトが毒殺される前の映像が映し出されており、レオンハルトがコーヒーを飲んだ後、カップを指で拭っている姿が確認されました。この仕草は、口紅を使う女性に特有のものでした。
レオンハルトに変装していたピンガは、長年グレースに変装していたため、その仕草が自然に身についていたのです。このため、レオンハルトの死は自殺ではなく、ピンガによる毒殺だと判明し、「女性を装う男」としてピンガの正体が明らかになったのです。
追い詰められたピンガの正体が明かされる
首に残されたアザが決定的な証拠となり、ピンガはついに逃げ場を失い、変装を解いてその真の姿を明かしました。
黒鉄の魚影：ピンガの運命は？
劇場版「黒鉄の魚影」で、ピンガの最後は潜水艦の爆発に巻き込まれ、その後、遺体は見つかっていません。彼が生きている可能性もささやかれていましたが、作者の青山剛昌先生のコメントにより死亡が確認されています。
潜水艦爆破の決定とピンガの運命
ピンガは「グレース」としてパシフィック・ブイに潜入していました。組織と再合流するため潜水艦に戻ろうとしたものの、その頃、コナンと赤井によって潜水艦が狙撃されていました。潜水艦が重大なダメージを受け、機密保持のため爆破処分が決定され、ジンやウォッカ、キールたちはすでに避難を始めていました。
しかし、ジンからピンガへの避難指示はなく、ピンガはその情報を知らされていませんでした。
爆発に巻き込まれたピンガの最期
ピンガはジンたちと合流しようと試みましたが、潜水艇が見当たらないことに気づき、「自分も処分されるつもりか」と悟りました。すでに潜水艦の爆発まで15秒しか残されておらず、逃げ場のないピンガはそのまま爆発に巻き込まれたとされています。
青山先生のコメントによる死亡の確定
ピンガの死亡シーンは明確に描かれていなかったため、「ひょっとして生きているのでは？」という憶測もありました。しかし、映画の舞台挨拶で、作者の青山剛昌先生は「黒ずくめの組織のメンバーであるピンガは亡くなった」と明言し、ピンガの死亡が確定されました。
これにより、ピンガが生き延びている可能性は否定され、彼の運命ははっきりとした形で決着を迎えています。
なぜピンガは命を落としたのか？
「名探偵コナン」のファンにとって、ピンガの死は大きな衝撃となりました。作者である青山剛昌先生からも「ピンガは死亡した」との公式な発表があり、そのニュースに多くの人が悲しみの声を上げています。
ピンガの運命を分けた背景
ピンガは、黒の組織のナンバー2であるRUMのお気に入りの人物で、キュラソーが亡くなった後はRUMの側近となりました。彼は蘭との格闘をこなし、エンジニアとしての優れた技術や、男性でありながら女性に成りすます変装術など、多彩な能力を持っていました。
ピンガはパシフィック・ブイへの潜入中、新たなバックドアを設置したり、遠隔操作が可能な環境を整えたりするなど、RUMの信頼を勝ち得るに十分な働きをしていたのです。しかし、この優秀さが彼の運命を暗転させることになりました。
ジンとの対立とその結末
一方、ジンにとってRUMは厄介な存在で、彼に仕える優秀な人物であればあるほど、自分の地位が脅かされると感じていたようです。ピンガもまたジンに対して強いライバル意識を抱いており、コナンがジンを引き合いにピンガを侮辱した際には、かなりの怒りを見せていました。
さらに、ピンガはコナンが工藤新一であることを知っており、ジンが新一の殺害に失敗したことを組織に報告しようとしていました。これはジンにとって致命的なミスとなりかねない情報であり、黙っているべきところを「お前の立場を危うくする証拠を持っているぞ」と挑発したため、ジンの標的となってしまったのです。
結論：ピンガの悲劇的な結末
こうして、ピンガはジンとの対立によって組織内での立場を失い、最終的に命を落とす結果となりました。彼の死は多くの謎と感情を呼び起こす一方で、物語に深い影響を与える出来事でした。
